私が立ち上がった物語
どーも皆様こんにちは。ブログにお越しいただきまして、ありがとうございます。
特定非営利活動法人ターサ・エデュケーション代表の市村均光です。
読み方がちょっと難しいです。「いちむら ただみつ」です。こんな顔しています。
今回はなぜ私が発起し、今仲間とともに活動しているかをお話させていただきます。
ちょっと長くなるかもしれませんが、ご容赦ください。
【 私のスタートは自分自身の家庭環境 】
現在「子どもの健やかな育ちを当たり前にする」ということをミッションに活動しているわけですが、この志を持った1番の要因は私が母子家庭で育ったからだと思っています。
みなさん、母子家庭にどういったイメージをお持ちでしょうか?
「何となく可哀想。」
「大変そう。」
「あまりお金がなさそう。」
「育ちが悪そう。」
さまざまなイメージを持つと思いますが、大きくズレてはいないのかなと思います。
私の経験から話すと一番大きかったのは、みんなと違うというコンプレックス。
その影響で、なんとも言えない劣等感を持っていました。
また4人兄弟の長男ということで、兄弟の面倒等、責任感を持たざる得ない環境に置かれていたと思います。それから逃げていた時期もありますが。
でも、貧乏ではなかったんです。むしろ母親の頑張りによって、ちょっとしたお金持ちだったんです。(それに気づいたのは、大人になってからですが・・・)
だからか、子どものとき、ほかの子どもと比べても遜色ないものを与えられてきたと思っています。
え?だから何?まだまだこれから話は続きます。
【 学習塾講師として働いて気づかされた所得による教育機会の格差 】
私は教育系の大学卒業後、某学習塾で専任講師として働きだしました。
教えていた教科は、「数学」と「理科」。主に小中学生が相手でした。
塾講師は子どもたちが学校に行った後の商売ですから、「夜」のお仕事です。
不規則な勤務体系で体はしんどかったですが、子どもと関わる仕事は楽しかったです。
そんな日々を過ごす中、秋口頃でしょうか。1人の生徒に出会いました。
彼は学力はあまり高いわけではないけれど、一生懸命勉強する子でした。
しかし、突然彼は退塾(塾をやめること)します。理由はなんでしょうか?
答えは「お金」です。
塾の月謝の相場は20,000円ほど。一般的に考えると決して安い料金ではありません。
これは自分が社会人になり、親になり気づけたことです。
私がここで気づいたこと。
それはお金のない世帯では、子どもの教育機会は充分に与えることができないということです。
つまり、世帯の所得格差により、教育機会の格差が確かに存在しているという事実です。
これは下記のデータからも読み取ることができます。
世帯収入と子どもの学力 (対象/小学6年生)
出典:国立大学法人お茶の水女子大学『平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ
細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究』
家庭が自己負担する教育支出(学習費)の内訳
出典:文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」
引用 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
要は、お金がないと教育機会を充分に与えられないから学力が低くなるということ。
このときに1つのモヤモヤが生まれました。
「努力の差ではなく、生まれた環境に左右されるこんな状況はおかしい」と。
【 いわゆる「一般的」な母子家庭の方々との出会い 】
私はその後某市役所に転職しました。立派な理由があったわけではありません。塾講師として昼夜逆転の生活をしていた結果、子どもが勝手に大きくなっている状況が寂しく感じたからです。ワーク(仕事)よりもライフ(生活)を優先したということです。
(市役所はみなさんが思っているよりは楽な仕事ではないかもしれませんが、休暇等ワークバランスは非常にコントロールしやすい職場です。)
市役所にはたくさんの部署があり、たまたま私は子どもの福祉に関する部署に配属され、児童手当や児童扶養手当(いわゆる母子手当)等を支給する担当になりました。
※母子手当は現在はひとり親手当です。父子家庭の方も受給できます。
つまりこの部署には毎日毎日、「子ども生まれました。」「離婚しました。」という方々が訪れます。
子育て世帯には本当にさまざまな世帯があることを知りました。
その中で私が衝撃を受けたこと。それは、
母子家庭の貧困レベル
児童扶養手当の申請をする際に、世帯状況(収入状況等)の聞き取りを行うのですが、
「子ども3人いて、月収8万円です。家賃は、3万円です。」
「子ども1人です。現在は子どもが小さいため仕事をしていません。貯金で暮らしています。貯金は10万円です。」
「子どもは2人です。自分はうつ病です。下の子は児童養護施設にいます。」
こういった話を聞いてどう思いますか?この世帯が特別だと思いますか?
この世界が通常の母子家庭の世界なんです。
ちょっと古いデータですが下記グラフをご覧ください。
これは就労収入です。各種手当や養育費等は含んでいません。
しかし、養育費の不履行率は8割を超え、ほとんどの家庭では支払われていません。
その結果、母子家庭の貧困率は50%を超えています。
※年間収入120万円未満の世帯
このとき私は自然と自分の育ってきた環境と照らし合わせることができました。
自分も母子家庭で育ったからです。
でも私にはいまいちピンとこなかったのです。
それは母子家庭で育ったのに、この厳しい状況を知らなかったからです。
だからこそ、私の育った環境との格差に衝撃を受けました。
そして、自分がいかに特殊な環境で育ったのかに気づいてしまったのです。
「お金持ちの母子家庭育ち」
こんな私だからこそ、やらなくてはいけないことがあるのではないだろうか。
母子家庭の辛さを知っている。しかし、貧困を知らない。
「私が立ち上がらないで、誰がやってくれるんだ?」
貧困であれば次世代の子どもにも影響を与えてしまう。
その連鎖を止めるためには教育しかない。
公平な教育機会を届け、所得格差からの教育格差を是正する。
社会的弱者を弱者のままで終わらせてはならない。 そう考えました。
【 熱い仲間のおかけで踏み出せた1歩 】
しかし、「子どもに公平な教育機会を届ける!!」と意気込んだものの、
なにをやろうか、どうすればよいか。
とりあえずはまず行動。「地元で無償学習塾を1回開催してみよう」と考えました。
学校や町内会、公民館等に私の想いとやりたいことを伝えて回りました。
いろいろ調整し「もう少しで実現できるかも。。。」そんな段階になったときに、
に公民館側と町内会側で情報の行き違いがあり、 実現できませんでした。。
今思えば明らかに私の経験や調整の不足だったのですが、
当時慣れないことをしていた自分としては、
「明らかにいいことをしているはずなのに、なんで上手くいかないんだ。なんでわかってくれないんだ。もっとウエルカムでもいいのではないか。もうヤダ。もう無理かなあ。」
まるで子どものように、イジけていました。笑
(今思うと弱くて本当情けない。なかなかうまくいかないんですよね、やっぱり。)
そんなとき私を再び立ち上がらせる出来事がありました。それが、、、
※私がいます。探してみてね。
このイベントはメガネで有名なジェイアイエヌ田中仁社長が発起人となり、群馬県で開催されたビジネスプランコンテストです。
私は母の知人の紹介でたまたま応募し、幸運なことにファイナリストとして前橋グリーンドームにて3分間のプレゼンを行いました。本当に貴重な経験でした。
生まれて初めてたくさんの方から賞賛をいただき、私にもできるのかもしれない、もう一回頑張ろうと思うことができました。
そしてここから私の人生が動き出します。
この出来事をきっかけに私は自分の人生を変える場所に巡り合うことができました。
群馬イノベーションスクールです。
起業家たちが切磋琢磨しながら、学び合う場所。
このスクールも群馬イノベーションアワードの発起人である田中社長が開催するビジネススクール。本当に田中社長には感謝してもしきれません。
この場所にいた仲間たちは、今まで私が出会わなかった熱い情熱を持ち、やらせられていない、自ら明日を切り開く人たち。
私はまんまと伝染したわけです。笑
本当に私の人生の転換点であることは間違いありません。
この場所に巡り会えたことで、私のやりたいを解放し、私は立ち上がることができたのです。
【 そして今歩き出す 】
このブログを書いている間に、1周年記念日が過ぎてしまいました。笑
※法人設立日:平成27年7月9日
私たちはそれぞれの子どもの抱えている「足りない」を解決するため、それぞれの状況に向き合い、教育活動を行っています。
次回以降には私たちが行っている事業について書いていきたいと思います。
長文・駄文を最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。